このページではBlasphemousⅡ(ブラスフェマス2)におけるDLC追加サブクエスト「涙の小瓶の欠片(Imperfectus Lacrimatorio)」イベントについて解説しています。アイテムの取得条件や場所、イベントのテキスト解説・元ネタの考察などもまとめているので、ぜひ攻略の参考にしてください。
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概要
涙の小瓶の欠片(Imperfectus Lacrimatorio)イベントは、DLC追加エリアである「氷雪の大霊廟」および「サンタ・ヴィジリア」の特定のエリア内にある墓石に跪くことで、クエストアイテム「Imperfectus lacrimatorio」(涙の小瓶の欠片)を集め、最終的に胆汁のフラスコ瓶を強化することができるサブクエストです。
このサブクエストは、ブラスフェマス2のDLC「Mea Culpa」において、「隠しイベント」のような扱いのサブクエストとなっています。普通にプレイしていればまず気づくことはないと思われるので、ぜひ本記事を参考に攻略を目指してみてください。
攻略の流れ
「Imperfectus Lacrimatorio」は、下記の基本的な流れを行うことで、獲得することができます。
- 墓石のあるエリア内の雑魚エネミーをすべて倒す
- 特定の墓石の前で20〜30秒待機し、悔悟者が跪くモーションを見る
上記の手順を行うことで、墓石の影に青白い幽霊が現れ、悔悟者にImperfectus Lacrimatorioを渡してくれます。具体的な映像は下記動画をご参照ください。
ここでいう「エリア内」というのは、ゲーム内で暗転移動が発生する区切りの範囲内(部屋内)という意味で、「氷雪の大霊廟」および「サンタ・ヴィジリア」の全域という意味ではありません。もしもドミヌスの制約「悔いる者に平穏はなく」を発動している場合、墓石に跪く前に部屋移動をしてしまうと、エネミーが復活してしまい、掃討からやり直しになるので注意しておきましょう。
また、悔悟者の放置モーションが発生しても幽霊が現れない場合、下記の原因が考えられます。
- エリア内(部屋内)の雑魚エネミーをすべて倒しきれていない。
- 跪く墓石を間違えている(似たような墓石はいくつもあるので注意)。
- 悔悟者の待機位置と墓石の距離が離れてしまっている。
エリア内のエネミーを倒し終えた状態でターゲットとなる墓石が画面に映ると、一瞬青白い炎が墓石に灯ります。しっかりと幽霊を出現させるための条件を達成しているか、確認しておきましょう。
墓石の位置
Imperfectus Lacrimatorioを獲得できる墓石は、全部で4つあります。うち2つがサンタ・ヴィジリア、残りの2つが氷雪の大霊廟に位置しています。
本記事では便宜的に番号をつけていますが、取得順はプレイヤーの任意となっているのでどの順序でも構いません。詳細なマップ位置は、マップ解説記事などもご参照ください。
サンタ・ヴィジリアの墓石_1つ目
サンタ・ヴィジリアの墓石のひとつは下記の位置にあります。
サンタ・ヴィジリア区画Aの簡易マップ・番号5のあたりとなります。
サンタ・ヴィジリアの墓石_2つ目
サンタ・ヴィジリアの墓石のひとつは下記の位置にあります。
サンタ・ヴィジリア区画Cの簡易マップ・番号20のあたりとなります。
氷雪の大霊廟の墓石_1つ目
氷雪の大霊廟の墓石のひとつは下記の位置にあります。
氷雪の大霊廟の簡易マップ・番号2の付近です。
氷雪の大霊廟の墓石_2つ目
氷雪の大霊廟の墓石のひとつは下記の位置にあります。
氷雪の大霊廟の簡易マップ・番号19の付近です。
報酬
Imperfectus Lacrimatorioを4つ集めると、涙の小瓶の欠片が結合され、「Plenus Lacrimatorio」(満たされた涙の小瓶)に変化します。
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「Plenus Lacrimatorio」を入手 |
Plenus Lacrimatorioを所持した状態で、氷雪の大霊廟の地下墓地(カタコンベ)の部屋へ行くと、墓石のひとつに青い光が灯っています。氷雪の大霊廟の簡易マップ・番号8の付近です。
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氷雪の大霊廟の地下墓地(カタコンベ)で青い光が墓石に灯っている |
この青い光が灯った墓石に跪き、Plenus Lacrimatorioを捧げることで、報酬アイテムとして「Beatus Lacrimatorio」(祝福されし涙の小瓶)が獲得できます。
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Plenus Lacrimatorioを捧げることで、Beatus Lacrimatorioを獲得 |
「Beatus lacrimatorio」を獲得すると、悔悟者が所持している胆汁のフラスコ瓶のひとつが金色に輝きます。
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Beatus lacrimatorioで強化された金色のフラスコ瓶(一番右) |
この金色の胆汁のフラスコ瓶を使用すると、体力ゲージに加えて、熱情ゲージも一定量回復できるようになります。すべてのフラスコ瓶が強化されるわけではありませんが、祈祷台でのフラスコ瓶補充でいつでも再使用は可能なため、デメリット無しの嬉しい純粋強化と言えるでしょう。
元ネタ解説・考察
本サブクエストは、特定のNPCの課題を解決したり、明確な伝承テキストがプレイヤーに提示されない謎めいたものとなっています。アイテム名も日本語訳がなされていないため、ゲームをプレイしているだけでは、そもそも悔悟者が何を集めているのか(Imperfectus Lacrimatorioとはなにか?)や、墓石から浮かび上がる幽霊は誰なのか?ということがわかりません。
そこで、本記事では、本サブクエストの正体に少しでも近づくため、伝承テキストの意味やゲーム外の元ネタ・関連情報と思われるものも併せて解説・考察を試みています。あくまでもご参考に、サブクエストの理解を深める助けとなれば幸いです。
Lacrimatorio
まず、悔悟者が収集しているImperfectus Lacrimatorioとはなにか?という点についてです。
Lacrimatorio(ラクリマトリオ)とは、かつてローマやギリシャの墓前に供えられ、参列者の涙を貯めるためのものと考えられていた小さな瓶、壺のことです(Tear Bottleと同系か)。名称は「Lacrima」(ラクリマ)というラテン語で「涙」を意味する単語に由来するとされています。
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1世紀の「ラクリマトリオ」(レイニャ・ドニャ・レオノール美術館収蔵) |
故人を偲び涙を流すという行為は様々な国・文化で見られますが、この行為が転じて「参列者が涙を流せば流すほど、それだけ故人の人生に価値があった(それだけその死が惜しまれた)」という意味で解釈され、その涙の量を可視化するためにラクリマトリオが用いられたと考えられていたそうです(ラクリマトリオに涙を貯めるためだけに雇われた人や、容器に貯められた涙が蒸発するまでを喪の期間とする、など)。
しかし実際には、化学的調査でこの小瓶は涙ではなく「香料」や「軟膏」を保管していたものである可能性が高く、「涙」を貯めるための容器ではなかったと現在では考えられているようです。いずれにせよ、Lacrimatorio(ラクリマトリオ)は故人への哀悼を示すための象徴的なアイテムであると解釈されます。
上記を踏まえると、ブラスフェマス2・DLCのImperfectus Lacrimatorioイベントは、おおよそ下記の流れであると理解できます。
- エリア内のエネミーを倒すことで、故人を悼むための空間を整える。
- 墓石に跪くことで、おそらくは砕かれて散逸した「涙の小瓶の欠片」(Imperfectus Lacrimatorio)を集める。※「Imperfectus」は「不完全」の意。
- それぞれの欠片がつなぎ合わされることで、「満たされた涙の小瓶」(Plenus lacrimatorio)が復元される。※「Plenus」は「満杯」の意。
- 復元された小瓶を墓前に供えることで、然るべき哀悼が果たされ、「祝福されし涙の小瓶」(Beatus lacrimatorio)へと変化する。※「Beatus」は「祝福された」の意。
最終的に、悔悟者が有する「胆汁のフラスコ瓶」が熱情ゲージを回復できるように強化されることからも、本イベントにおけるラクリマトリオは(現実の考古学的に正統な解釈はさておき)、その名のとおり故人への哀悼の涙を蓄積するためのアイテムなのでしょう。
伝承テキストの意味
Imperfectus Lacrimatorioのアイテムおよびその説明文・伝承テキストはラテン語で記載されており、おそらくは意図的に他言語へ翻訳されていないため、その意味を把握することは困難となっています。弊ブログでは、機械翻訳やその他の調査により、翻訳を試みています。※Lacrimatorio(ラクリマトリオ)を「涙の小瓶」と訳しているのは前述の調査のとおりです。
【アイテム名】(再掲)
Imperfectus Lacrimatorio
涙の小瓶の欠片
Plenus Lacrimatorio
満たされた涙の小瓶
Beatus Lacrimatorio
祝福されし涙の小瓶
【アイテム説明文】
“Fatum fatis ego perea.”
「たとえ我が身が滅びても、運命が果たされますよう。」
【アイテム伝承文】
“Dolor hic tibi proderit olim.”
「この痛みが、一度だけあなたを助けてくれるでしょう。」
定訳というわけではないためご留意はいただきたいですが、おそらくそう外してはいないと思われます。文章の訳としては前掲の通りですが、その意味、言わんとするところを解釈するには、いささか補足が必要でしょう。
Lacrimatorioのアイテム名の変遷が、バラバラになった「涙の小瓶」を復元していくプロセスであったことは、前項の解説のとおりです。
また、伝承テキストの「一度だけあなたを助ける」という文言が、最終的にひとつだけ黄金に変化した胆汁のフラスコ瓶が熱情ゲージを回復してくれることを示していることは想像に難くありません。
アイテム説明文の内容については、続く「幽霊の正体」の考察と併せて解釈したほうが理解しやすいと思われるため、考察は後段に譲ります。
幽霊の正体
さて、本サブクエストがImperfectus Lacrimatorio(涙の小瓶の欠片)を集め、哀悼を成就させる一連のプロセスであったとして、残る謎は墓石に跪くことで現れる青白い幽霊は一体誰なのか?という点でしょう。
幽霊は何も語らずにImperfectus Lacrimatorioを渡して消えてしまいますし、見た目に共通点がある他のキャラクターなども存在しないため、ゲーム内の情報ではその正体にたどり着くことができません。
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Imperfectus Lacrimatorioの青白い幽霊 |
ではどこに幽霊の正体につながるヒントがあるというと、前作『ブラスフェマスのデジタルアートブック』(Steam販売ページ、外部サイトへのリンク)内に関連情報が存在します。それがデジタルアートブック14ページの「悔悟者のファーストモックアップデザイン」です。
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「悔悟者のファーストモックアップ」(Blasphemous - Digital Artbook より) |
上記2種の画像を見比べていただければ一目瞭然ですが、両者のデザインは酷似しています。すなわち青白い幽霊とは、悔悟者のプロトタイプ(初期構想のデザイン)であったわけです。
現在のとんがりコーンのようなカピロテ兜を装着した独特のデザインが完成するまでの初期段階――ブラスフェマスの悔悟者ではあるけれども、まだ悔悟者ではない存在――、加えて、悔悟者が現在のデザインへと洗練・開発されていく過程で棄却された(いわば亡くなった)姿が青白い幽霊の正体なのです。
これらを踏まえると、あらためてImperfectus Lacrimatorioのアイテム説明文の理解が深まります。
“Fatum fatis ego perea.”
「たとえ我が身が滅びても、運命が果たされますよう。」
すなわち、初期構想段階のデザインとしての悔悟者(我が身)が滅びても、姿を変えて悔悟者という存在は受け継がれ、ブラスフェマスという世界(運命)は続いていく――そのような意味が込められているのではないでしょうか。
ある意味ではゲーム開発者側のメタ的なメッセージが多分に含まれているとも言えますが、Imperfectus Lacrimatorioのイベントとは、開発の過程で、たとえ原初の姿が滅びたとしても、悔悟者の初期デザインへの哀悼を果たしつつ、ブラスフェマスユニバースを継続・発展させていくという意志なのではないかと思われます。
単なる原初回帰ではなく、過去に敬意を払いつつ変化していく未来へつなげていくための、沈黙の裡に隠されてはいるが、それ故に強固なメッセージであると思います。ブラスフェマスのいちファンとして、開発側のメッセージを前向きに受け止め、今後もブラスフェマスユニバースがより広く深く展開していくことを期待していることを添えて、開発者へのエールおよび本記事の結びに代えさせていただきます。日本のブラスフェマスプレイヤーの助けになれば幸いです。
それではいつかまた、夢の向こう岸で…。
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