『ブラスフェマス2・アートブック』レビュー(コレクターズ・エディション)【ブラスフェマス2】

アートブック ブラスフェマス2 レビュー

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このページでは、「ブラスフェマス2・アートブック」("The Art of Blasphemous II")のレビューをしています。アートブックの内容が気になる方や、購入を検討している方はぜひご参考ください。

、「ブラスフェマス2・アートブック」("The Art of Blasphemous II")

はじめに

Gamepress(外部サイト)で予約注文をしていた『ブラスフェマス2・アートブック(コレクターズ・エディション)が届きました!

、「ブラスフェマス2・アートブック」("The Art of Blasphemous II")と喜びの筆者

2024年3月15日に発売が予告されてから、延期の告知を経て、延べ3ヶ月弱の時を越えて、ようやく我が手元へと舞い降りました。。。(発売告知時の記事は下記をご参考ください)

予約注文をしたあと、この「聖典」を待つ時間がどれほど永く感じられたことか…。出版元であるGamepressからの発送連絡メールを受け取ってからの期待と不安とは、言葉では言い表せないほどでした(海外からの発送物に慣れていないこともあり…)。

発送連絡から10日程度経過したのち、無事に待ち望んだ「聖遺物」を受領、一通り拝読したため、僭越ながら感想レビューをしたためました。ブラスフェマス2が好きで、購入を検討している方々への参考になれば幸いです。 

注意事項として、筆者が購入したのは、スペインの出版社「Gamepress」でのみ予約注文が可能な「コレクターズ・エディション」です。こちらは本体となるアートブックに加えて、後述の「付属アイテム」が特典としてついてくるバージョンです。詳細は、Gamepressの商品ページ(外部サイト)も参照してください。

基本情報

まずは本体となるブラスフェマス2・アートブックの基本情報を紹介します。

タイトル

The Art of Blasphemous II

著者・スタッフ

【The Game Kitchen Staff】

Autores: Enrique Cabeza Mogollo y Francisco Ureña

Coordinación y revisión: Raquel Alcázar Polo Ilustración de cubierta: Juan Miguel López Barea

Edición de imagenes: Ester Garrido 《Eristea》

【Game Press Staff】

Edición: José Ángel Ciudad

Revisión de contenido: Álex Rodríguez y José Ángel Ciudad

Correcciones finales: Sandra Marín y Sonia Sanz

【Save Games Studio Staff】

Diseño, maquetación y edición de imágenes: Juan Alberto Brincau Berlanga Traducción, localización y revisión: José Manuel Fernández <<Spidey>>> Corrección de estilo: Marta García Villar

Agradecimientos: Alejandro Muñoz Fernández, HephDust, NPSOM, Alejandra Pérez «Anhyra Cosplay», ZonaOtaku, Paradia, Sean Manaloto, Takeshi Oga, Teradiam, ZHI

出版元

©2024, de la presente edición: Game Press Editorial S.L. San Francisco 28, 13300, Valdepeñas, Spain

出版年

Primera edición: Abril de 2024
Una publicación de Game Press Editorial

総ページ数

288

言語

「英語」および「スペイン語」

目次(英語)

  • PRESENTATION
  • INTRODUCTION
  • THE PENITENT ONE
  • CREATING THE WEAPONS
  • CREATING CVSTODIA CHARACTERS
  • CREATING THE ENEMIES
  • CREATING THE BOSSES
  • CREATING THE SCENARIOS
  • ALTARPIECE OF FAVOURS
  • PIXEL ART
  • KEY ART
  • THE ART TEAM
  • ANIMATED SCENES
  • FAN ART

※以下は拙訳

  • プレゼンテーション
  • イントロダクション
  • 悔悟者
  • 武器の創造
  • クヴストディアのキャラクターたちの創造
  • エネミーの創造
  • ボスの創造
  • シナリオの創造
  • 寵愛の背障
  • ピクセルアート
  • キーアート
  • アートチーム
  • アニメーションシーン
  • ファンアート

特典(コレクターズ・エディション付属)

続いて、Gamepress「コレクターズ・エディション」に付属していた特典の簡単な紹介です。

Gamepress「コレクターズ・エディション」に付属していた特典

特典内容は、商品ページの通り下記3種です。

  • ポストカード
  • 栞(ブックマーク)2枚
  • A4プリント紙

ポストカードはブラスフェマス2のメインボス敵である「信心会の罪人たち」の集合絵。古い写真のような威厳のある佇まいです。ポストカードの裏側は「ブラスフェマス2」ゲームの概要紹介文。背景は「インクの海」にかかる橋梁に佇む悔悟者のゲーム内画像です。

栞は、表面にブラスフェマス2のメインビジュアルの一つである悔悟者のマスクのクローズアップが印刷され、裏面にはエヴィテルノと死闘をおこなう教会背景に吊るされた殉教者たちのデザインが施されています。

A4プリント紙にはヴェレディクトを振るう悔悟者のデザインが印刷されています。こちらは、Sean Manaloto氏によるファンアートでもあります。

これら特典のデザインはアートブック本体にも収録されています。デザインを見たいだけであれば、特典付きのコレクターズ・エディションを購入する必要はありません。

しかし、アートブック本体は288ページもありなかなかの重量、持ち運びに適しているとは言い難い代物です。一方、特典の栞などはどこにでも持ち運べる品物なので、いつでもどこでもブラスフェマスを感じるうえで、これ以上ないギフトであると言えるでしょう。

こういった小物にも愛着を持てる方は、コレクターズ・エディション購入を検討してみるとよいでしょう。

収録内容

アートブックの収録内容について、「アートデザイン」「テキスト」、そして「デジタル版アートブックとの違い」の3点について、概要を紹介します。

アートデザイン

まずはアートブックのメインコンテンツである「アートデザイン」についてです。

アートブック全288ページのほぼ全てのページ内に、ブラスフェマス2に関するデザイン、イラストレーションが盛り込まれています。クヴストディア世界やキャラクターの設定画・コンセプトデザインに加え、最終的なデザインを生み出す過程となる種々のラフスケッチ、さらにはゲームリリース後に寄せられた上質なファンアート作品まで収録されています。

コンテンツとしては、前作から引き続き主人公を担う「悔悟者」のデザインはもちろんのこと、本作で実装された3種の「武器」と、ヴェレディクト、サルミエント&センテラを装備した悔悟者の衣装違いデザインも収録されています。

ヴェレディクトを装備する悔悟者のデザイン画(p.17) 青銅色の鎧と仮面がイカしている
ヴェレディクトを装備する悔悟者のデザイン画(p.17)
青銅色の鎧と仮面がイカしている

特にメインとなるのが、ゲーム登場キャラクター(NPCやボス、エネミー)たちのイラストでしょう。こんなにも芸術的・蠱惑的・ユニークなデザインを上手くゲームに落とし込んだなあという感慨と、ゲーム内イメージをさらに精緻かつ豊穣にして読者の想像力を掻き立てる「迫力」とを存分に味わうことができます。

ブラスフェマス2Ⅱ登場する「NPC一覧」「ボス一覧」は下記記事にまとめてありますので、よろしければご参考ください。



また、一部のイラストレーションは「ゲーム内未実装のキャラクター」も含んでいるようです。構想は固めたけれども、ゲーム容量・品質・納期その他の理由でゲーム内実装が見送られたのか、はたまた今後のDLCや次回作以降に持ち越されるのか? 想像と妄想を刺激してくること間違いなしです。

個人的には、74−75ページの割れた卵の中から天を仰ぐ卵白のような巨大な老婆?のNPCなどぜひ実装してみてもらいたいところです。

その他の内容は、前掲の「目次」などもご参考ください。

テキスト

続いて、本アートブックのもう一つの大きな魅力である「テキスト」についても触れておきましょう。

本書のテキストは「英語」と「スペイン語」で記述されています。ブラスフェマスはスペインのゲームですので、原語はスペイン語である可能性が高いですが、英語も併記されているのは親切です。日本語読者には多少ハードルが高いかもしれませんが、昨今、機械翻訳などを駆使すれば英語文の大まかな意味を把握することは難しくないでしょう。

テキストのメイン内容となるのが、ゲーム内キャラクター・ストーリーなどの要素を創作する際の「レファレンス(参考文献)・インスピレーション元」です。ブラスフェマス・ユニバースを構成する魅力的なキャラクターやエネミーたちは、果たしてどこから?どうやって?もたらされたのか。クヴストディアでの贖罪にのめり込んだ人であれば、一度はこの心地よい不可解を覚えたはずです。

その疑問を解きほぐす数多の「鍵」――現実世界の歴史や文化事象、芸術作品が制作者達によって語られています。たとえば、「対なる双月」のボスである「美麗なる聖女 スゾナ」は、15世紀セビリアのユダヤ人女性「スゾナ」(スサナ・ベン・スソン)の伝説を下敷きとしていたり、「聖なる御名の街」にいる「レヒーナ」はセビリアにある「レヒーナ通り」から借りている、フランシスコ・デ・ゴヤの絵画からインスピレーションを経て、「大牧師ラダメス」や「カスチュラとトリフォン」は制作された…等々。

これら多くの要素が、ゲーム制作の刺激となり、また創作に深みをもたらす糧として機能したのであろうことが紙面から伝わってきます。加えて、プレイヤー・読者である自分にとって、ブラスフェマスという作品を通して、これまでに知らなかった世界の様々な文化・歴史に触れる機会が得られたことが何よりも嬉しいのです。世界が深く・広くなっていく感覚とでも申しましょうか…。

また、ゲームプレイヤーとして嬉しいのが、「エネミーの名称」がテキストとして記載されているという点です。ボスエネミーはゲーム内で名称表記がされるのですが、マップ内に登場するいわゆる「雑魚エネミー」たちは、ゲーム内で表記がされないんですよね。

毒霧や爆発する槌で攻撃してくる巨人エネミー(p.124) 英語名称はDEACON(ディーコン) 日本語に直訳すると「助祭」(教会の役職で「司祭」の次に偉い)
毒霧や爆発する槌で攻撃してくる巨人エネミー(p.124)
英語名称はDEACON(ディーコン)
日本語に直訳すると「助祭」(教会の役職で「司祭」の次に偉い)

具体的なエネミーの識別が行いやすくなるので、本ブログの攻略記事でも、アートブック記載の名称を随時反映させていこうと思います。

デジタル版アートブックとの違い

Steamページでは、Blasphemous 2 - Digital Artbook(外部サイト)が販売されています(Steam版ブラスフェマス2の購入が必要なため注意)。

デジタル版は総ページ数55ページとなっていて、書籍版288ページの5分の1程度の分量となっています。収載イラストは共通しているものもありますが、デジタル版には「テキスト」が収録されておらず、本当にデザインのみのアートブックとなっているので留意しておきましょう。アニメーションアート、ファンアートなどはデジタル版には収録されておりません。

「テキスト」を重視する方は間違いなく書籍版を購入したほうが良いでしょう。比較的すぐに手に入るデジタル版をおためし的に購入してみてから、より充実した内容である書籍版購入の検討をしてみても良いかもしれません。

内容の充実度で言えば、デジタル版よりも書籍版のほうが圧倒的におすすめです。

評価とオススメポイント

個人的評価

ブラスフェマス2のアートブックである『The Art of Blasphemous II』ですが、ボリューム・内容の充実度ともに期待以上の出来栄えで、待った甲斐のある一品と言えるでしょう。ブラスフェマスファンである筆者にとっては、垂涎の代物、後悔のない買い物でした。

また、発刊を延期する理由となった装丁も凝っており、表紙の悔悟者の棺・デオグラシアスは立体的な処理がされています。あたかも彫像のように彫り込まれた手触りを感じることができるのは、電子版では味わえない魅力と言えるでしょう。

写真では伝えきれない立体感
写真では伝えきれない立体感

あえて難点を挙げるとすれば、些かページ綴じが甘い部分があり、少し優しくページを扱わないとバラバラになってしまいそうなところでしょうか。大事に扱ってあげましょう。

こんな人におすすめ

  • ブラスフェマスが好きで、さらに深くこの世界を味わいたい人
  • 芸術・歴史・文化が好きな人

上記の方々には、ブラスフェマス2のアートブックは非常にオススメとなっています。

日本在住者には海外配送となるためその分時間はかかりますが、待って損はない内容と言えるでしょう。

2025年には前作ブラスフェマスの完全版アートブックの出版が予告されており、ブラスフェマス2のコンプリート・エディション(外部サイト)の発売も間近に迫っています。今後ますます進化・深化を加速させていくブラスフェマスワールドの魅力を、可能な限り本ブログでも発信していきたいと思います。

それではいつかまた、夢の向こう岸で…


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