ボス解説05_研磨の衛兵 アフィラオル【ブラスフェマス2】

ブラスフェマス2 ボス 解説 攻略 考察

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ブラスフェマス2のボスキャラクター「研磨の衛兵 アフィラオル」の解説ページです。登場マップや攻略ポイント、キャラクターデザインの元ネタなど関連情報を掲載しているので、ゲーム世界を楽しむ参考にしてください。

ブラスフェマス2のボスキャラクター「研磨の衛兵 アフィラオル」

ボス名

研磨の衛兵 アフィラオル(けんまのえいへい あふぃらおる)
AFILAOR, CENTINELA DEL ESMÉRIL

概要

母の聖なる御許」のボス。クヴストディアの最下層で、只管に武器を研磨している長身痩躯の巨人です。悔悟者の姿に気づくと、巨大な研磨機を背負い、長刀を研磨して切れ味を上げながら無言で襲いかかってきます。

アフィラオルにはセリフがなく、彼に関する伝承などの作中テキストも存在しないため、その正体については謎に包まれています。悔悟者を始めとした「罪人」たちに特有のカピロテ型の装いはしていないため、アフィラオルは信心会などには属していないことが推測されます。

また、母の聖なる御許はいたるところに剣や槍などの武器が突き立てられています。それらをアフィラオルが研磨したのだとすれば、途轍もなく永い時を武器の制作に充てていた可能性があります。アフィラオルはなんのためにそれらの武器を研磨し続けていたのか? 信心会とクリサンタとの戦いに彼の武器が用いられていたのか、はたまたエスクリバーの時代からアフィラオルの武器が必要とされていたのか、想像は尽きることがありません…。

攻略のポイント

アフィラオルは、巨大でありながら身のこなしは軽く、独楽のように回転しながら斬り掛かってきたり、画面奥まで一気に跳躍し、数多の武器を一斉に投げつけてくるなど多彩な攻撃パターンを有しています

独楽のような回転攻撃は、ジャンプでは回避不可能なため、アフィラオルの下半身をすり抜けるようにタイミングを合わせてスライディングで躱しましょう。長刀を研磨して切りかかってくる攻撃では、刀から衝撃波を飛ばして遠距離攻撃も兼ねてくるため、可能であれば股下をスライディングですり抜け、アフィラオルの背後に回り込めると安全度が上がるでしょう

アフィラオルとの戦闘では、NPC「イェルマ」の助力を頼むこともできます。決定的ではありませんがアフィラオルの体力を削るのに貢献してくれるため、こだわりがなければ助力を依頼しておきましょう。

元ネタ解説・考察

『ブラスフェマス2・アートブック』によると、「研磨の衛兵 アフィラオル」は開発チームお気に入りのボスキャラクターの一体で、そのデザインはナイフや剃刀などを研ぐ職人・商人「研師」(Afilador)を着想元としています。

研師はさまざまな芸術作品の主題としても扱われ、ブラスフェマスシリーズに最も大きな影響を与えている芸術家のひとりといって過言ではないフランシスコ・デ・ゴヤも『刃物を研ぐ男』(El Afilador, 1808-1812)で研師の男性を描いています

Francisco de Goya y Lucientes - Knife Grinder - WGA10060
フランシスコ・デ・ゴヤ『刃物を研ぐ男』(El Afilador, 1808-1812)

ゴヤはスペイン独立戦争の悲惨さを描いた画家としても有名(『戦争の惨禍』)ですが、その絵画には銃で武装したフランス軍兵に対し、自らの身を守るためナイフを手にした人々も度々描かれています。疲れ切った様子で刃物を研ぎ続ける男性は、戦争で危険にさらされた一般の人々から、刃物を研ぐ依頼をひっきりなしに受け続けていたのかもしれません。『刃物を研ぐ男』は、単に職人の仕事の一場面を切り取ったというだけではなく、否応なく戦禍に巻き込まれた人々の悲惨を連想させるものであるとも言えるでしょう。

クヴストディアの地下深くの母の聖なる御許で、密かに武器や刃物を研ぎ続けるアフィラオルは、地上世界の人々が地下深くに押し込めて忘れ去ってしまった、戦争の悲惨さを象徴するキャラクターであるのかもしれません。おそらく彼にとっては戦争は終わっておらず、ただ武器を研ぎ続けるという己の役割を全うする怪物と成り果ててしまっているのでしょう。悔悟者がアフィラオルを倒すことで、その歪んだ労働を終わらせ、魂の安寧を祈ることには大きな意味があるように思います。

日本における研師は日本刀を仕上げる伝統工芸の職人というイメージが強いですが、17-20世紀に存在したスペイン・ガリシア州オウレンセ県の研師は、生活区域を巡回し、「グラインダー」(砥石を回転させて刃物を研ぐ機械。アフィラオルが背負っているもの)でナイフや剃刀、包丁などを研磨する職人・商人で、より日常生活に近い存在だったようです。

Nogueira de Ramuín, afiador
オウレンセ県にある研師の彫像

ブラスフェマスというと宗教的要素(キリスト教カトリック)が色濃いゲームであることがフィーチャーされがちですが、アフィラオルのインスピレーション元である研師のように、必ずしも宗教的ではない、歴史・芸術・文化的な要素も多分に含まれており、かつ魅力的に昇華されていることは改めて指摘したいと思います。

登場マップ

関連キャラ

  • イェルマ…アフィラオルとの戦闘で彼女の助力を頼むことができる。

それではいつかまた、夢の向こう岸で……

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