BlasphemousⅡ(ブラスフェマス2)のキャラクターNPC「影の行進」の解説ページです。登場マップや元ネタを掲載しているので、ゲーム世界を楽しむ参考にしてください。
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「しなやかな霧の影法師よ 偽りの金貨を我々に支払うのだ」 |
キャラクター名
影の行進(PROCESSION OF SHADOWS)
概要
「茨歌う森」で遭遇する謎の集団。黒装束で身を隠し、寝台のような馬車を引いています。
クエストアイテム「忘れ去られた供物」を捧げることで、悔悟者を別のエリアへと移動させてくれるNPCです。「忘れ去られた供物」の取得マップなどは、下記の「サブクエスト05_「影の行進」(忘れ去られた供物)」の記事もご参考ください。
元ネタ
『ブラスフェマス2・アートブック』によると、「影の行進」はガリシア州に伝わる「サンタ・コンパーニャ」(Santa Compaña)伝説にインスピレーションを得ているようです。
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ポンテベドラのアルミランテ・マトス通りにある《サンタ・コンパーニャ》のペイント |
「サンタ・コンパーニャ」はいわゆる「死者の魂の行列(行進)」に関する伝承です。地域によって様々なバリエーションがあるようですが、最もメジャーなのは黒装束に身を包み祈りを絶え間なく捧げる死者の魂の行列が、十字架を掲げる先導者の後に続いて真夜中の森林を行進するというものです。先導者は生きた人間ですが、自分自身が行列を率いているという意識はないまま、その役割を担わされると信じられています。たいていの伝承では、先導者は日中は行進の記憶を失い、無自覚なまま行進を幾夜も続けさせられ、そのまま衰弱してしまうパターンが多いようです。
また、影の行進がサブクエストで要求する「忘れ去られた供物」(偽りの金貨)は、セビリアの作曲家フアン・モスターソ・モラレス(Juan Mostazo Morales, 1903-1935)の「La Falsa Moneda」(偽りの金貨)に着想を得ています。
この作品はスペインのミュージカル映画『Morena Clara』(1936)に提供された歌曲で、恋人を偽造コインにたとえた失恋ソングとなっています。
Gitana, que tú serás como la falsa moneda
Que de mano en mano va y ninguno se la queda
Que de mano en mano va y ninguno se la queda
放浪者よ、おまえは偽りの金貨のようなものだ
誰かの手から手へと渡るが、誰のもとにも残らないのだ
誰かの手から手へと渡るが、誰のもとにも残らないのだ
歌曲「La Falsa Moneda」は下記の動画で視聴することもできます(スペインの女性歌手Buikaの歌唱です)。
ブラスフェマス2では、悔悟者が「忘れ去られた供物」(偽りの金貨)を影の行進に渡すことで、別のエリアへと渡ることができます。すべての供物を渡すと影の行進は跡形もなく消え去ってしまうので、まさに「誰のもとにも残らない」放浪者なのでしょう。
また、悔悟者が移動する際に横たわる馬車のデザインは、セゴビア大聖堂にある「ディエゴ・デ・コバルビアスの墓」が着想元となっています。
「ディエゴ・デ・コバルビアスの墓」(セゴビア大聖堂) |
ディエゴ・デ・コバルビアス(Diego de Covarrubias y Leyva, 1512–1577)はスペインの大司教です。彼の姿を模した横たわるアラバスター像の下に棺が納められています。
棺をモチーフにしているということは、すなわち影の行進の馬車はある種の霊柩車でもあるということです。悔悟者は棺の中に横たわることによって、いわば一時的に死者として「死者の列」に加わり、生者が至ることのできない空間を通って、異なるエリアへと移動しているのでしょう。
影の行進はゲーム中では謎めいた存在ですが、複数のモチーフをつなぎ合わせて構成することで、生者と死者の異界の狭間に属し、その橋渡しとなるようなキャラクターとして昇華されていることがわかります。
登場マップ
関連イベント
それではいつかまた、夢の向こう岸で……
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