ブラスフェマスのボスキャラクター「慈悲を施す者(ピエタ)」の解説ページです。登場マップや関連情報を掲載しているので、ゲーム世界を楽しむ参考にしてください。
ボス名
慈悲を施す者(ピエタ)(じひをほどこすもの ぴえた)
Ten Piedad
概要
「慈悲なる夢」のボス。聖母像に抱えられたように眠る巨人で、身体にいくつもの釘が突き刺さり、手足の先が樹木のようになった異形の怪物です。ブラスフェマスのゲーム前半、「3つの屈辱」を果たして「三試練の橋」を超えるために打倒する必要があります。
目覚めたピエタは、自らを抱えていた聖母像の首をもぎ取り地面に叩きつけ、眠りを妨げた悔悟者にもその怒りを向けます。その見た目通り、巨体を活かした薙ぎ払いや踏みつけ、樹木の根を操るような攻撃を仕掛けてきます。
ピエタは、ブラスフェマス開始時のオープニングムービーで、「奇蹟」がもたらす災厄のイメージのなかにその姿が確認できます。おそらくは元人間であったのが、奇蹟の力により異形の怪物へと変じてしまった実例なのでしょう。
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オープニングムービーで描かれているピエタ |
また、「三試練の橋」の閉ざされた扉にはピエタを含めた三試練ボスの姿が刻まれています。
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三試練の橋の扉に描かれたピエタ |
上記のイラストは、三試練のボスをすべて倒して扉が開放されると、ほとんど見えなくなってしまいます。タイムアタックをしている時以外は、三試練のボスをすべて倒してしまう前に、いちど足を運んでみるのもよいでしょう。扉の前にいるデオグラシアスにも逢えます。
攻略のポイント
巡礼前半のいわゆる三試練のボス、「慈悲を施す者(ピエタ)」、「焦貌の聖女」、「三苦悶」は、どの順番で倒すかをプレイヤーが自由に選ぶことが出来ます。そのなかで、ピエタは最も難易度の低いボス敵となっているため、初心者や手堅く攻略したいプレイヤーは、まずはピエタを倒すことを目標に攻略を進めることをオススメします。ボス攻略を進めることで探索域が広がり、悔悟者を順次強化していくことが可能となるためです。
慈悲を施す者(ピエタ)は、下記4パターンの攻撃を仕掛けてきます。
- 手による薙ぎ払い
- 踏みつけ
- 木の根の塊を吐き出す
- 両手で地面を叩きつけ、地面から根っこを突き出してくる
上記のうち、「薙ぎ払い」および「踏みつけ」はタイミングをあわせれば無傷でガードが可能です。ガードした後、悔悟者は後方へと押しやられますが、即座にスライディングでピエタに近づくことで剣戟によるダメージを与えられます。ピエタに近づいていると、ほとんど「木の根の塊」を吐き出す遠距離攻撃は仕掛けてきません。よって、ピエタの「薙ぎ払い」or「踏みつけ」をガード→スライディングで近づき懺悔の剣で攻撃→「薙ぎ払い」or「踏みつけ」をガード…というループに持ち込めれば、一方的にピエタの体力を削ることが出来ます。
一方、距離を取ってしまうと前述の「木の根の塊」を吐き出して遠距離攻撃を仕掛けられます。この木の根は地面に着弾するとその地点に残り続けて邪魔になるので、都度攻撃で破壊しなければならなくなるため、なるべく撃たせたくない攻撃です。
「両手で地面を叩きつけ、地面から根っこを突き出してくる」攻撃は、木の根を回避するためにピエタから距離を取らざるを得ません。木の根の範囲は当初は3〜4つ程度ですが、ピエタの体力を一定値削ると、木の根を5〜6程度に増やして広範囲に攻撃を仕掛けてくるため、注意しましょう。木の根を避けた後は即座にピエタに近づき、前述のガード→近づいて攻撃のパターンに持ち込んでいければ、クリアするのはそう難しくないでしょう。
元ネタ解説
『ブラスフェマス・アートブック』によると、慈悲を施す者はミケランジェロの「ピエタ」(Pietà)像を参考にデザインされています。
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ミケランジェロ《ピエタ》(Pietà) |
ミケランジェロの「ピエタ」は、磔刑の後に亡くなったキリストを抱く聖母マリアを描いている大理石の彫像です。慈悲を施すものが、悔悟者と戦う前に聖母像に抱かれて眠りについている体勢は、明確にピエタ像の構図・ポージングのオマージュとなっていることがわかります。スペイン原語のボス名称も「Ten Piedad」(テン・ピエタ)であり、インスピレーション元を明示していると言えるでしょう。
慈悲を施す者は、ボス戦開始時に自らを抱える聖母像の頭部を引き千切り、破壊してしまいます。これは穏やかな眠りを妨げた悔悟者への怒りの表出ともとれますが、ミケランジェロのピエタの聖母像も、1972年に精神を病んだラズロ・トートというオーストラリア人地質学者によってハンマーで顔面部などを損壊させられたという事件があり、そのオマージュとなっている可能性もあります。
慈悲を施す者は、捻れた山羊の角をもつ怪物です。キリスト教において山羊は「悪魔」の象徴とも捉えられ、山羊の頭部を持つ悪魔「バフォメット」も有名です。
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エリファス・レヴィ《バフォメット》 |
また、慈悲を施す者の全身は釘で覆われており、これはキリストを十字架に磔にした釘を彷彿させます。こうして見ると、慈悲を施す者は反キリスト的なデザインを結合して形作られたキャラクターであり、災厄なりし奇蹟が生み出した異形の怪物として象徴的な存在であるとも言えるのではないでしょうか。
アートブックによると、「クリーチャーである慈悲を施す者が眠っているときだけ、人間であった頃の彼自身の意識が閉ざされた夢の中で目覚める」という設定があるそうです。エリア名「慈悲なる夢」とは、異形の怪物になった彼の意識が見ている束の間の夢ということなのでしょう。悔悟者が彼を打ち倒すことで、はじめて人間としての彼が閉じ込められている偽りの夢を破り、夢の向こう岸へとその魂を導くことができるのです。
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