【レビュー】『ブラスフェマス・アートブック・完全版』:「奇蹟」の聖典の見どころを徹底解説

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このページでは、『ブラスフェマス・アートブック・完全版』("The Art of Blasphemous Complete Edition")のレビューをしています。アートブックの内容が気になる方や、購入を検討している方はぜひご参考ください!デジタル版との比較検討もしています! ※ブラスフェマス、ブラスフェマス2のネタバレを含みます。

【レビュー】『ブラスフェマス・アートブック・完全版』:「奇蹟」の聖典の見どころを徹底解説

はじめに

先日、GamePress(外部サイト)にて予約注文をしていた『ブラスフェマス・公式アートブック・完全版』(The Art of Blasphemous: Complete Edition)がついに我が手元へも届きました!

ブログ筆者の手に舞い降りた『ブラスフェマス・アートブック完全版』
『ブラスフェマス・アートブック完全版』を手にする喜び

昨年2025年11月下旬に予約注文をしてから、4か月ほどの時を待ち続け、待ち続け、あまりにも恋い焦がれ続けた結果、この期間の私はあたかも「待ち続ける贖罪」を果たすエヴィテルノのごとき有様でした。

エヴィテルノ「こうして永遠に待ち続けることこそ我が贖罪であった」【ブラスフェマス2】
「こうして永遠に待ち続けることこそ我が贖罪であった」
――エヴィテルノ

配送先情報の表記の不備、スペインの出版社の窓口とのメールを介した慣れない英語でのやり取り、先方の発送処理遅延などの幾多の苦難を乗り越えて、ようやく我が手元へとこの「奇蹟」の聖典が舞い降りたとき、追跡番号確認サイトを見続けた乾ききった私の瞳からは、大牧師ラダメスのように初めて涙が流れたのです…。

ラダメス「その命に従った時 私の目からは初めて涙が流れた」【ブラスフェマス2】
「その命に従った時 私の目からは初めて涙が流れた」
――ラダメス

箱を開き、厳重に緩衝材で保護された書籍を目にしたとき、「一ミリもこのアートに傷をつけさせはしない」という出版社の確固たる意志を感じました。待ち続けた時間は無駄ではないどころか、完全版にふさわしい品質のために必要なものであったことが心の底から伝わり、出版社GamePressへの限りない感謝の念がこみあげてきます。

聖典たるアートブックを傷つけまいとする幾重にも重ねられた緩衝材
聖典たるアートブックを傷つけまいと幾重にも重ねられた緩衝材

カピロテの頂点からつま先に至るまで「ブラスフェマス・ワールド」に浸ることのできるこの書籍をひと通り拝読しましたので、僭越ながら感想レビューをしたためました。ブラスフェマスの魅力に取りつかれた悔悟者諸氏の参考となれば幸いです。

基本情報・スペック

基本情報

タイトル The Art of Blasphemous Complete Edition
著者 Enrique Cabeza Mogollo 他(The Game Kitchen)
出版元 GamePress
言語 英語 / スペイン語
サイズ 22.8 x 30.5 cm
重量 約1,950g(約2kg!)
装丁 ハードカバー / 糸綴じ
ページ数 304ページ(旧版より112ページ増!)
参考価格 44.95 €(※別途、スペインからの国際送料がかかります)
公式サイト GamePress販売ページ

※ブログ筆者確認時点の情報です。

スペインから日本への「渡航」にかかった費用

公式サイト(GamePress)から直接購入した際の実費は以下の通りです。

  • 本体価格:44.95 €
  • 日本への送料:42.54 €(Shipping to Japan)
  • PayPal手数料:1.73 €
  • 合計:89.22 €

日本円に換算すると約15,000円前後(為替により変動)となります。本体と送料がほぼ「1:1」という、まさに海を越えて届く重みを感じる金額ですが、それだけの価値がある一冊でした。

外観・装丁

すでに掲載した写真からも伝わるかと思いますが、このアートブックを手に取った瞬間に感じるのは、片手では持て余すほどの「ずっしりとした重み」です。この重量では禁書の図書館のカルトスであっても軽々しく投擲することはできないでしょう(そもそも本は投げちゃダメ)。

禁書の図書館のカルトスのように本を投げたらダメ。

その存在感は圧倒的で、高さはNintendo Switch 2を縦に3つ並べたサイズに匹敵します。300ページを超えるボリュームは、大規模な美術展の公式図録を彷彿とさせる分厚さ。以前ご紹介した『ブラスフェマス2』のアートブックと並べても遜色のない、堂々たる佇まいです。

ブラスフェマス2のアートブックと並べると得も言われぬ満足感

『ブラスフェマス2・アートブック』レビュー記事は下記をご参考ください!

ハードカバーの装丁は手馴染みが良く、表紙の悔悟者には立体的なエンボス加工が施されています。光の加減で浮かび上がるその姿は、まるで悔悟者が現実世界へと這い出してきたかのような錯覚を覚えるほどです。

悔悟者の姿がエンボス加工で浮かび上がり、光を反射する【ブラスフェマス】
悔悟者の姿がエンボス加工で浮かび上がり、光を反射する

この手触りの良さは、ぜひ物理本で味わってほしいポイントですね。

ちなみに、以前のニュース記事「悔悟者の「ぬいぐるみ」が発売!」で紹介したYoutoozの悔悟者ぬいぐるみも、「奇蹟的」に同じようなタイミングで届きました。

アートブックと悔悟者ぬいぐるみを並べる【ブラスフェマス】
アートブックと悔悟者ぬいぐるみを並べる

並べてみると、アートブックとぬいぐるみはほぼ同じような高さ。本棚にこの2つを並べると、そこはまるでクヴストディアの祭壇といっても過言ではないでしょう。

中身の見どころ

制作過程のデザイン

本書を開いてまず圧倒されるのは、一人のキャラクターが産声を上げるまでの膨大な「試行錯誤」の足跡です。

アートブックに刻まれた悔悟者のデザイン変遷【ブラスフェマス】
アートブックに刻まれた悔悟者のデザイン変遷

決定稿に至る前のラフスケッチには、私たちが知る悔悟者とは異なる姿や、削ぎ落とされたアイデアが所狭しと並べられています。開発チームが「Cvstodia(クヴストディア)」という残酷で美しい世界を構築するために費やした、まさに苦行とも言えるデザインの変遷、その積み重ねを、自らの目で追いかけることができます。

ちなみに、本アートブックでは悔悟者のモックアップイラストを確認することができますが、このデザインは続編ブラスフェマス2のDLCで追加された隠しイベント「涙の小瓶の欠片(Imperfectus Lacrimatorio)」にも登場します。

このブラスフェマス・アートブックを手に入れたファンへの「わかる人にはわかる」サービスを仕込んでくれているのも、ゲーム開発陣の細やかな心遣いを感じられます。

美麗なコンセプトアート

ゲーム中、私たちは常に「悔悟者の死」の恐怖と隣り合わせで、ついついエネミーを速やかに倒し、フィールドを駆け抜けていきますが、本書のコンセプトアートは、その足を止めさせるほどの狂気的な美しさに満ちています

ゲーム序盤のエリア聖線のコンセプトアート 木立の合間に差す光の陰影が死の静寂と沈黙の哀悼を際立たせている。【ブラスフェマス】
ゲーム序盤のエリア「聖線」のコンセプトアート
木立の合間に差す光の陰影が死の静寂と沈黙の哀悼を際立たせている。

冒涜の貯水路などの静謐なダンジョンや、万母の母の荘厳な教会建築、さらには「夢」の世界など、見開きいっぱいに描かれたクヴストディアの絶景が目まぐるしく展開されるのです。ゲーム中では倒すことに夢中になり、細かい部分までは見つめることができなかったかもしれないボスたち雑魚エネミーたちの姿を細密に、また恐ろしいほどに美しく描いたデザインも堪能できます

アートブックから飛び出してきた「奇蹟」が、 あなたを捕まえようと手を伸ばして来るでしょう【ブラスフェマス】
アートブックから飛び出してきた「奇蹟」が、
あなたを捕まえようと手を伸ばして来るでしょう…

ゲーム内のドット絵で表現されていたこのキャラクター・エネミーは、こんな衣装や意匠・異形のデザインを表現していたのか!という気付きを得ることができるので、より深くブラスフェマスの世界に埋没することができますし、「芸術的」といえるほどに洗練されたゲーム内のドット表現の凄まじさを再発見することにも繋がるのです。

キャラクター等のデザインに纏わる「伝承」(元ネタ)

そして、全ファンが刮目すべきは、デザインの根底にある「現実の世界・文化」(特にスペインやキリスト教の歴史に関わるもの)への深い参照(レファレンス)です。たとえば牛の兜をかぶって銛を投擲してくる雑魚エネミー「ファラリス」のデザインのインスピレーション元などが記載されています。

終わりなき黄昏山脈などに登場する雑魚エネミー「ファラリス」【ブラスフェマス】
終わりなき黄昏山脈などに登場する雑魚エネミー「ファラリス」

アートブックによれば、「ファラリス」の兜はその名の通り、古代ローマで発明された拷問器具「ファラリスの牡牛」にインスパイアされています。そしてそれだけではなく、アンダルシア地方と縁が深い「闘牛」の要素をいくつかデザインに組み込んでおり、このエネミーが投擲してくる「銛」はバンデリリャ(Banderilla, 闘牛中に雄牛の背中や肩に突き刺す装飾の銛)を意識しているのです。

ブラスフェマスのエネミー「ファラリス」のページの一部 英語とスペイン語でキャラクターデザインについての解説がなされている。【ブラスフェマス】
ブラスフェマスのエネミー「ファラリス」のページの一部
英語とスペイン語でキャラクターデザインについての解説がなされている。

このように、ストーリー上で重要なNPCやボスエネミーだけではなく、ゲーム内に登場する雑魚エネミーやマップ・エリアに至るまで、なぜそのようなユニークで奇蹟的なデザインが編み出されたのか、非常に具体的かつ詳細な「伝承」が刻まれているのです。このアートブックを通読することが歴史・文化・宗教に関する知識を豊かにしてくれると同時に、ブラスフェマスの独創的・魅力的なデザインはどのようにして生み出すことができるのか、大きなヒントを読者に与えてくれることでしょう。

弊ブログもこのアートブックの伝承を重要な資料として、各キャラクター・エリアに関する考察を補強させていただいています。同時に、それまで日本で生きているだけでは知り得なかった多様な文化・歴史の情報に触れることができる喜びも感じられます。ブラスフェマスの世界への理解を深め、さらに単なるゲーム内世界を越えた広がりを与えてくれるのがこのアートブックの素晴らしさなのです。

デジタル版と完全版の比較

ブラスフェマスのアートブックは、Steamなどオンラインの販売ページでデジタル版を購入することも可能です(※Steamのデジタル版アートブックを購入するためには、Steam上でBlasphemous ゲーム本体を購入している必要があります)。

この項目では、今回購入したコンプリートエディションをメインに、デジタル版との比較をしています。

DLCまでを完全に補完した完成形

今回購入したコンプリートエディションにおけるデジタル版(v1.0)や旧版との決定的な違いは、その名の通り「Complete」(完全版)であること。本作を象徴する数々のDLC(『The Stir of Dawn』で実装された真なる苦悶モードに登場するヒブラエルラウデスたち、そして完結編の『Wounds of Eventide』のエクストラボスたち)のデザインや設定資料が余すことなく追記されています。

「死者の歌声 イシドラ」のデザインページ DLC・Wounds of Eventide(黄昏の創傷)の隠しボス【ブラスフェマス】
「死者の歌声 イシドラ」のデザインページ
DLC・Wounds of Eventide(黄昏の創傷)の隠しボス

追加ボスや新エリアのコンセプトアートはもちろん、制作の舞台裏を明かす開発者のコメントや、トレーラーアニメーションのラフ原画イメージやブラスフェマス以外のゲームとのコラボレーションアートも増量。旧版が192ページ(デジタル版は表紙等含めて200ページ)だったのに対し、本書は304ページ――この「100ページ超の差」こそが、クヴストディアの歴史を完結させるために必要な重みと言えます。

あえて「削除」された情報

非常に興味深いのは、デジタル版から完全版になる過程で「削除」された要素が僅かに存在することです。

例えば、初期のデジタル版(アートブック)に掲載されていた一部のキャラクター案は、後に『ブラスフェマス2』に登場することになったためか、本書からは姿を消しています。たとえば続編の切断されし反塔に登場したNPC「セザリオ」や、対なる双月のボス「美麗なる聖女 スゾナ」などがその一例です。

物理本として歴史に刻まれる際、シリーズの整合性を保つために行われた「整理」とも言えるこの変更。これに気づけるのは、両方の版を並べて「巡礼」した者だけの特権かもしれません。

比較表

そのほか、デジタル版とコンプリートエディションの基本項目の比較表です。

比較項目 デジタル版 (PDF) 物理本 (Complete Ed.)
入手速度 即時
(購入後すぐ)
数週間
(スペインからの旅路)
価格 非常に安価
(¥ 520〜※1)
高価
(本体45€+送料約43€ ※2)
ページ数 約200ページ 304ページ
(デジタル版・旧版より大幅増)
収録範囲 初期〜中期のデザイン中心 DLCを含む全要素を網羅
利便性・体験 拡大・検索が容易
持ち運びにも最適
2kgの重厚感と紙の質感
圧倒的な所有欲
購入先 Steam GamePress公式サイト

※1…Steam版のBlasphemous ゲーム本体の購入が必要です。
※2…物理本の価格・送料は日本への発送(2026年時点)を基準にしています。

結論:結局どちらを選ぶべきか?

結論:欲張るなら「両方」が正解となります。最終的にどちらか一方を選ぶのは非常に困難です。なぜなら、それぞれに異なる役割があるからです。

  • デジタル版: 拡大して細部を確認したり、資料として素早く検索・参照するための「実用ツール」。
  • 物理本(Complete Edition): 圧倒的な解像度と2kgの重厚感、そしてDLCまでを網羅した「保存版の聖典」。

もし完全版の購入を迷われている方がいる場合は、まずはデジタル版などを購入して全体の雰囲気を感じ取ってみるのが安全策であると思われます。アートブックの美しさにその時点で魂を射抜かれたのであれば、完全版の書籍の購入を検討されるのがよいでしょう。

なお、紙でしか味わえない質感と「匂い」、そしてDLCを網羅した文字通りの完成形を手にするのは、ファンとしてこれ以上ない喜びであることは申し添えておきます。

まとめ

スペインの出版社との粘り強いやり取り、1ヶ月の待機、そして本体代金に匹敵する送料……。本書を手にするまでの道のりは、決して平坦ではありませんでした。しかし、約2kgの重厚なハードカバーを膝に乗せ、インクの香りが漂う304ページをめくった瞬間、そのすべての苦労は「報い」へと変わりました。

この一冊がもたらすもの

  • 圧倒的な没入感: デジタル画面では決して味わえない、紙の質感と大判サイズによる視覚体験。
  • 考察の深化: 公式が提示するレファレンスや没案に触れることで、ブラスフェマス・ワールドの設定や背景が鮮明に補完される。
  • 所有する悦び: 本棚に置くだけで放たれる、圧倒的な「聖典」としての存在感。

良い点・惜しい点

  • ◎ 唯一無二の網羅性: DLCまでを完全に収録した「真の完全版」。
  • ◎ 装丁の美しさ: 飾るだけで満足できる美術展のカタログ・工芸品レベルのクオリティ。
  • △ 入手ハードルの高さ: スペイン語/英語のみの対応と、高額な国際送料。

どんな人におすすめか?

本書はすべての人に勧められるほど手軽なものではありません。しかし、以下に当てはまる「悔悟者」なら、迷わず手に取る価値があります。

  • 『ブラスフェマス』の世界観を骨の髄まで愛している方
  • ドット絵の裏側にある「筆致」や「意図」を深く知りたい方
  • スペインの文化やキリスト教的な宗教美術などと本作の繋がりを考察したい方

15,000円という金額は、ゲームソフト数本分に相当します。しかし、この「奇蹟」を物理的な重みとして手元に残せる悦びは、それ以上の価値があると断言できます。

次なる巡礼へ

この聖典を手に入れたことで、私の考察の旅はさらに加速しそうです。今後は本書から得た新たな知見をもとに、「ブラスフェマス・メインストーリー解説・考察」(連載中)の続きや、噂される『ブラスフェマス2』の新DLC情報についても深掘りしていく予定です。

ブラスフェマス・ワールドは進化と深化を続けており、語られるべき物語は山ほどあります。皆さんも、この重厚な一冊を手に、私と共にさらなる深淵へと足を踏み入れてみませんか?

アートブックを眺める悔悟者ぬいぐるみ【ブラスフェマス】

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『ブラスフェマス』の世界観をさらに堪能したい方へ。続編であるBlasphemous II 完全版や、『ブラスフェマス2・アートブック』も合わせてご確認ください。

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