BlasphemousⅡ(ブラスフェマス2)のキャラクターNPC「アヌンシアダ」の解説ページです。登場マップや元ネタを掲載しているので、ゲーム世界を楽しむ参考にしてください。
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「あの心臓に辿り着き その生誕を止めるのです」 |
キャラクター名
アヌンシアダ(ANUNCIADA)
概要
悔悟者を導くために「聖なるもののすべての起源にして座である天高き山脈」から降り立った聖なる雰囲気の女性。聖なる予言の記された羊皮紙の巻物を携え、巨大な浮遊する左手のひらの上に立っています。登場時のアニメーションムービーを見ると、彼女の周囲には多数の「天使」の頭部が光輝を放っています。
アヌンシアダは、ゲーム開始直後に「忘却を彫る者 『無貌』」を倒した悔悟者の前に現れ、「奇蹟」が残した「天の心臓」の生誕を止めるよう告げてきます。これが本作ブラスフェマス2におけるメインストーリーの目的です。
ゲーム進行の「案内役」とも言える立ち位置で、ボス敵打倒後のタイミングなどで登場し、次に進むべき道を指し示す役割を担っています。前作ブラスフェマスでは「デオグラシアス」がゲーム進行の案内役を担っていました。デオグラシアスは悔悟者と同様「罪人」であり、「奇蹟」の御業を語ることは彼の贖罪でした。一方、アヌンシアダは「聖なるものの座」から遣わされた使者であり、聖性を有した存在として描かれています。その観点では、前作ブラスフェマスで悔悟者の戦闘をサポートしてくれた「ヴィリディアナ」と類似した立場でもあります。
元ネタ
『ブラスフェマス2・アートブック』によると、アヌンシアダのキャラクター造形のインスピレーション元として3つの作品が挙げられています。
1つ目は、ダンテ・アリギエーリの『神曲』です。『神曲』は作者自身の分身である主人公ダンテが、詩人ウェルギリウスに導かれて地獄・煉獄・天国を巡る叙事詩となっています。「冒険を通じて主人公を導くキャラクター」デザインの参照としたということなので、アヌンシアダの造形には神曲におけるウェルギリウスが下敷きとされているのでしょう。『ブラスフェマス2』という作品も、復活した悔悟者が、本来生きていた時代から遠い未来のクヴストディアというある種の「異界」を巡る物語です。「奇蹟」によって召喚された過去の罪人たちと戦うブラスフェマス2は、地獄で裁かれる罪人たちの間を遍歴する『神曲』と通底しているのかもしれません。
2つ目は、ペドロ・パブロ・ルーベンスの《無原罪の御宿り》という絵画です。
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ルーベンス《無原罪の御宿り》 |
「無原罪の御宿り」(Immaculate Conception)とは、イエス・キリストの産みの母である聖母マリアが原罪から解放されているとするカトリックの教説です(無原罪懐胎ともいう)。絵画の題材としてはルーベンス以外にも、ベラスケス、エル・グレコ、ムリーリョ、ホセ・デ・リベラほか著名な芸術家たちによって描かれています。描かれているのは聖母マリア像であるため、アヌンシアダのデザイン元は聖母マリアであるとも言えるでしょう。
3つ目は、ティツィアーノの絵画《信仰の前にひざまずく総督アントニオ グリマーニ》です。
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ティツィアーノ《信仰の前にひざまずく総督アントニオ グリマーニ》 |
「信仰」の寓意である聖杯と十字架を持つ中央の女性を覆うように、天使たちの集合体が描かれています。アヌンシアダの背後の輝く天使たちの描写とほぼ一致しており、聖性とインパクトを兼ね備えたデザインの着想も、このような名画から得ていることがよくわかります。
ちなみにアントニオ・グリマーニは15-16世紀のイタリア軍人で、貧しい商家の出身でありながら富を築いて出世し、ゾンキオの海戦(第一次レパントの海戦)でオスマン帝国に大敗を喫した責任を取らされ追放された後、ヴェネツィア共和国の総督に任ぜられたという波乱の生涯を送った人物のようです。俗世の栄達と没落の両極を経験した稀有な人物が、「信仰」に跪くというコンテクストが込められているのかもしれません。
登場マップ
関連キャラ
- デオグラシアス(ブラスフェマス)…前作で悔悟者の巡礼の導き手となったNPC。アヌンシアダとは異なり、こちらは「奇蹟の御業を語る」ことを贖罪とした罪人。本作ブラスフェマス2でもその姿を見せるが…。
- ヴィリディアナ(ブラスフェマス)…前作で悔悟者を手助けするために「祝福されし地」から遣わされたキャラクター。アヌンシアダと出自は同じなのか?
それではいつかまた、夢の向こう岸で……
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